2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15720193
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Research Institution | National Research Institute Cultural Properties, Nara |
Principal Investigator |
今井 晃樹 独立行政法人文化財研究所奈良文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 研究員 (60359445)
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Keywords | 中国 / 古代青銅器 / 生産 / 流通 |
Research Abstract |
本年度は当初、中国での出土品の調査を予定していたが、新型肺炎SARSの流行のため急遽、欧米でのコレクション資料の調査に変更した。今回の調査では研究代表者以外に、中国古代青銅器を専門に研究する人員を2名同伴し、調査の協力をお願いした。 15年9月13日から9月14日にはニューヨークメトロポリタンミュージアムにて中国古代青銅器の概括的な調査をおこなった。この美術館が所蔵する青銅器の種類や数量、由来などはこれまで本格的に公表されていないため、今回その実態を調査し、今後の本調査にむけての基礎的な情報を収集した。 9月15日から9月18日にかけてはカナダのトロントにあるロイヤルオンタリオミュージアムにて調査をおこなった。 このミュージアムは、殷から西周時代にかけての青銅器を多数所蔵し、一部の資料は出土地が明かであるため学術的価値が高い。しかし資料の質の高さや量の豊富さにもかかわらず、これまでコレクションの全体像が明らかではなかったので、ここを調査対象とした。 同一の工房で製作したと考えられるタイプの資料、あるいは青銅器の生産や流通を研究する際に必要な資料を調査対象とした。原寸大の実測図を作成し、全体と細部とをふくめた写真撮影をおこない、個々の資料の正確な形態と法量を比較できる資料化をおこなった。そのほか青銅器製作時に使用した土製の鋳型を調査し、その形態、施文方法、組み合わせ方、原材料、焼成方法など鋳造技法の詳細な検討をおこなった。 これまで中国で公表されている古代青銅器の出土報告、収蔵品紹介などの文献を集成し、その目録を作成中である。
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