2003 Fiscal Year Annual Research Report
工業雇用減少時代における日本の機械工業集積の変動とその地域的差異に関する研究
Project/Area Number |
15720198
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
鹿嶋 洋 三重大学, 人文学部, 助教授 (50283510)
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Keywords | 工業雇用 / 工業集積 / 機械工業 / シフトウェア分析 / 地域的差異 |
Research Abstract |
本年度は,以下の2点を行った. 第1は,工業雇用の変動とその地域的差異に関する研究方法の検討である.各地域における雇用の増減に関する地域的パターンを統計的に把握するために,シフトシェア分析の手法を採用した.対象地域としてはさしあたり三重県を取り上げ,1990年から2000年までの10年間における産業(大分類)別就業者数のデータを用いて,県内10地域別の雇用変動パターンを分析した。その結果、県内各地域の産業全体あるいは各産業について、雇用の変化の要因を全国成長効果、比例効果、差異効果に分解して把握し定量的に明らかにすることができた。とくに、三重県内では製造業雇用の重要性が高く、それの変動が地域全体の雇用に大きな影響をもたらしていること、1990年代後半には雇用減少傾向が強まったが、その度合いには地域差(北部では弱く、南部では強い)、が指摘された。しかし、総人口の増減の影響等を考慮することができないなどの分析上の課題も明らかになった。また今回の分析では産業大分類べースであったが、さらに細かい分類で製造業の動向を捉える必要がある。今後、さらに有効な分析手法の検討を進めていくことが必要と考えられる。 第2は、従来の研究の検討である。工業地理学及び隣接分野を中心にして、雇用の減少に関する理論的・実証的存文献を収集し、サーベイに着手した。これにより、従来の研究で明らかになった知見を整理し、本研究の分析視点琴明確にする作業を現在鋭意進めているところある。
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