2003 Fiscal Year Annual Research Report
フランス福祉国家の成立に関する思想史的研究―社会経済学・共和主義・連帯主義
Project/Area Number |
15730063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 拓道 北海道大学, 大学院・法学研究科, 助手 (20333586)
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Keywords | 福祉国家 / 政治経済学 / 社会経済学 / 共和主義 / 連帯主義 / デュルケーム / フランス革命 / 公共性 |
Research Abstract |
1 19世紀社会政策史・政治思想史の一次資料の包括的収集 フランス国立図書館、古文書館、社会資料館、パリ第一大学社会運動資料センター、パリ第四大学、東京大学、小樽商科大学、一橋大学などで、19世紀社会政策史・思想史に関する主要な一次資料をほぼ収集し終えた。 2 フランスの専門家との交流 ハザレーシンハ教授(オックスフォード大学)、ロザンヴァロン教授(コレージュ・ド・フランス)、カステル教授(パリ社会科学高等研究院)など、19世紀フランス政治思想史、社会政策史研究を代表する多くの専門家に研究内容を伝え、議論を行い、アドバイスを受けた。 3 フランス福祉国家の思想的源流(博士論文) 19世紀社会政策史と政治思想史とを統合し、社会問題への対応という観点から、政治経済学、社会経済学、共和主義、連帯主義の競合関係として19世紀フランス思想史を再構成する論文を完成した(博士学位取得)。 4 福祉国家の射程 1980年以降のフランスの「福祉国家の危機」論を検討し、19世紀以降の歴史的視角から、その射程を明らかにする論文を執筆した。 5 公共性の変容 フランス革命から社会問題が問われる1830年代に至るまで、「公共性」観念がどのように変容したのかを扱った論文を執筆した。 6 研究会報告 近代公共圏研究会(清泉女子大学)、名古屋大学経済思想史研究会において、19世紀の公共性論、福祉国家論に関する研究成果を報告した。
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Research Products
(2 results)