2004 Fiscal Year Annual Research Report
アルトジウスの政治思想と近代社会契約説の源流に関する研究
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15730067
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| Research Institution | Chiba University |
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Principal Investigator |
関谷 昇 千葉大学, 法経学部, 助教授 (00323387)
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| Keywords | モナルコマキ / 抵抗権 / 主権 / 連邦制 / 社会契約 / 統治契約 / 宗教戦争 / 共生 |
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| Research Abstract |
すでに公刊した拙著『近代社会契約説の原理-ホッブス、ロック、ルソー像の統一的再構成』(東京大学出版会、2003年)では、「自然と作為」のシェーマを原理的に再検討しながら、特に主体論のダイナミズムという観点から、各政治思想の批判的な復元を試みた。本研究は、この研究をさらに発展させるべく、その思想史的源流に位置するアルトジウス(1557-1638)の政治思想研究に取り組むものである。
昨年から引き続き、アルトジウスの思想的背景を調べるべく、アルトジウスの原典、モナルコマキ(暴君放伐論者)や抵抗権思想の諸原典やパンフレット、日記や書簡、政治活動に関するパンフレットの収集に努めるとともに、今年度はさらにケンブリッジ大学での調査を伴いながら、アルトジウスとその周辺に関する研究書の収集も積極的に行った。本研究は、アルトジウスの(1)生涯と時代状況、(2)基本原理、(3)世界観、(4)自然観、(5)人間観、(6)道徳観、(7)政治観の各項目に即しながらその全体像を明らかにするものであるが、本年度は特に(2)(7)の解明を中心に行った。現在、これらに関する成果として執筆を行っているところである。
また、こうした思想史的作業とリンクする形で、本年度は政治哲学的な考察をも並行して検討することを試みた。特に、近代社会契約説の源流を解明する中で、その原理的意味を「構成原理」と「制約原理」とに分類し、政治哲学的観点から社会契約説という考え方の意味とその現代的可能性を考察したことは、社会契約説の系譜を思想史的に把えるにあたって、新しい示唆を得ることができた。その一部については、公共政策学会の年報に公表することができた。
来年度は、これまで継続させてきている一次資料の思想史的解明をようやく形にする段階であり、今年度得た政治哲学的考察を踏まえつつ、最終的なまとめに入る予定である。
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Research Products
(1 results)
