2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
谷口 将紀 東京大学, 大学院・法学政治学研究科, 助教授 (60251435)
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Keywords | 日本政治 / マスメディア / 価値 / 新聞 |
Research Abstract |
本研究は、戦後日本における価値変容を時系列的に分析する。経済発展は、直接民主政の安定をもたらすものではなく、市民文化の発達を媒介変数として相互関係にある。また、経済安定は人々の価値観を変え、物質主義的な価値に重きを置きかない社会は低経済成長時代を迎えるという意味で、市民社会の価値観と経済もまた、相互関係にある。価値観研究は、現在に至るまでNPCなど新しい概念も生みながら、各国で繰り返し大規模比較調査が行われている、国際的な関心の高い研究分野である。とくに上記の通り、短期間で大きな経済発展を遂げた日本は、もっとも貢献しうるポジションにある。国際比較を拡大させる一方で、研究開始時点以前に遡及できないという制約上、従来不可能とされてきた時系列比較を、日本について可能ならしめる本研究は、内外の価値観研究に貴重な資料を提供できるものと期している。上記の問題意識に立脚して、本年度は以下の各項目について研究を行った。 ●先行文献の渉猟を行った。 ●1945年8月16日から2000年3月31日までの朝日新聞(東京本社最終版)社説データ、約3万3千件をコード化した。 ●新聞各社の歴史を研究した結果、朝日と均衡を取るために当初予定していた読売社説は、長期時系列データとしては不適なことが分かった。 ●統計分析用ソフトSPSSを用いて、時系列分析を行った。 ●統計解析によって得られた知見を基に、ワーキング・ペーパーを作成した。 来年度は、上記ワーキングペーパーを基にした学会・研究会報告を通じて、成果公表の準備を行う。
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