2004 Fiscal Year Annual Research Report
現代日韓関係における「国民的交流」の意義:その理念と現状を検証する
Project/Area Number |
15730081
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
林 夏生 富山大学, 人文学部, 助教授 (20311673)
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Keywords | 国際文化交流 / 現代日韓関係 / 国際関係論 |
Research Abstract |
本研究における今年度の実績としては下記の通りである。 第一に、日韓両国における近年の国際文化交流政策のあり方について、韓国側は2004年1月1日に実施された「第4次日本大衆文化開放」とその影響、また日本側は2003年から04年にかけ観察されたいわゆる「韓流」をめぐる動きをそれぞれ中心に、各種の資料を収集し実態の把握を行った。 第二に、これらの動向に対して主に政治経済学的な観点から分析を加えた。韓国における政策変化については「外交政策」「文化政策」「産業政策」の三側面から分析を行い、また日本での「韓流」については、従来の文化論的な説明に、韓国大衆文化産品の国際競争力の向上、および企業レベル・政府レベルでの共同利益創出とその追求という観点から新たな仮説を加え検証を進めているところである。その過程で、本年度の旅費により日本国内各所やソウルに出向き、国際関係論および文化交流論の専門家、また韓国における日本研究の専門家との討論を重ね、考察を深めることができた。 第三に、上記の調査研究の過程において、調査・分析結果を逐次データベース化し、研究期間内のみならずその後にわたって情報を効果的・効率的に活用しうるようにつとめた。この作業を行うに当たり、本年度の備品費で導入した設備を役立てることができた。
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