2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730102
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
星野 伸明 金沢大学, 経済学部, 助教授 (00313627)
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Keywords | プライバシー / 母集団一意 / 無限分解可能 / 寸法指標 / 離散多変数分布 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に得た基本定理(小数法則と条件付けによって非負整数上の無限分解可能分布から新規モデルが導出可能)の理解を深める方向で研究を進めた。具体的には、本分野で現れるデータの特徴をふまえたモデリングの方法論を整理し公表した(査読付き雑誌論文一、招待講演一)。また、実際に新規モデルが導出出来るのを確認している。 非負整数上の無限分解可能分布の例として、ラグランジュアン・ポアソン分布が挙げられる。この分布から前述の基本定理を用いて、新しい分布が導出可能である。これを極限疑似多項分布と呼ぶ事にする。複数の独立なラグランジュアン・ボアソン分布の総和を所与とした、条件付きの同時分布は疑似多項分布と呼ぶのが適当であり、この特殊ケースの極限分布が極限疑似多項分布である。極限疑似多項分布は一母数を持ち、その最尤推定量は陽に表される。また極限疑似多項分布は指数族に属する為、挙動を把握しやすい。この分布の周辺階乗モメントを求め、複数のテストデータに当てはめたところ、右裾が非常に長いデータを良く記述出来るという感触を得ている。この種のデータ記述は、既存の超母集団モデルが苦手とする所である。従って極限疑似多項分布は、他のモデルを補完する意味が有ると思われる。故に本研究の成果は、超母集団モデルアプローチに厚みを加えるものである。また疑似多項分布も、新しい離散多変数分布として意味を持つ。本分布は解析的取り扱いが容易な事に加え、母数の数を多くも出来る。従って柔軟なモデルとなる事が期待できる。
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Research Products
(3 results)