2004 Fiscal Year Annual Research Report
確率的フロンティアモデルの推計方法に関する統計的分析(徴収率関数への応用)
Project/Area Number |
15730104
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
車井 浩子 兵庫県立大学, 経営学部, 助教授 (70275296)
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Keywords | 縮小推定量 / 損失関数 / 確率的フロンティアモデル |
Research Abstract |
本研究で扱う確率的フロンティアモデルは、経済データを用いた実証分析においては、効率性の計測の際によく用いられ、その特徴のひとつは誤差項の分布型にある。本研究では、データの大きさが小標本である場合の確率的フロンティアモデルの推定方法の問題を扱っている。線形回帰モデルを用い、小標本における望ましい推定童である縮小推定最に関して、誤差項の分布や推定量の評価基準を考慮した統計理論的分析を行った。誤差項の分布と推定量の評価基準である損失関数の形が推定量の評価に影響を及ぼすため、扱うモデルに応じて適切な推定量を選択するととが必要であるという結果について、これまでの研究成果とともに研究叢書にまとめた。 これら研究結果をフロンティアモデルの推定に適用するにあたり、本年度は研究会で報告・議論を行い、さらに推定方法に関する理論的分析が必要であることが明らかになった。まず、データの分布が非線形に近いという点を考慮する必要があり、これまでの研究結果から得られた推定方法を適用するためにはモデルに関して何らかの改善が必要になるという点について、他大学の研究者より意見をいただいた。また、本研究で扱う保険税の徴収率データはクロスセクション・データであるため、誤差分散に関して分散不均一性を考慮する必要があると考えられる。これら問題点に関しては、現在研究中であり、適切な推定方法について研究を続けている。 このような、統計理論の側面からの分析と並行して、徴収率関数の実証分析に向け、「国民健康保険の実態」(国民健康保険中央会)をもとに兵庫県の市町村データの加工を行っている。保険税の徴収率に関しては、過小推定よりも過大推定してしまう(実際は徴収率が低いにもかかわらず、高いと推定してしまう)方が問題であると考えられるため、これまでに得られている、推定量と評価基準に関する研究成果が適用できると思われ、推定方法に関する上記の問題点をさらに考慮した上で、徴収率関数の推定方法について引き続き研究を行う。
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