2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730105
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
荒木 万寿夫 青山学院大学, 経営学部, 助教授 (20303050)
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Keywords | 家計消費 / 失業世帯 / 高齢者世帯 |
Research Abstract |
昨年度は家計消費状況調査の目的外利用申請が認められ、係る実証研究が遂行できた。本研究ではこの成果を受け、さらに多面的な分析を可能とするべく、家計調査並びに貯蓄動向調査の目的外利用申請に係わる準備及び申請を行い、実際に両データの利用が可能となる段階まで到達した。本年度中の主要な研究は、両データの分析に先立つ整備に注力したことが中心であり、現在進めている具体的な分析作業と取りまとめは2005年度に引き継がれる。なお、当該申請は総務省統計局客員研究員として、同客員教授(本学経済学部教授)美添泰人との共同研究であり、同局の協力を受けている。 昨年度の研究では、恒常的な所得が無いとみなし得る世帯類型について、当初想定していた状況と異なる捉え方が必要であると確認された。例えば、夫が失業した世帯では妻がパート等で働くケースが多く、その場合には妻が世帯主として調査され、結果として所得水準がかなり低位である勤労世帯が観測されるという蓋然性に繋がると予想される。当該ケースは、バブル期以降雇用調整が進展する中で顕著な傾向となったのかどうかは、長期的な家計データに基づいて検証される必要がある。こうした問題意識と背景に基づいて、上の申請を意図した。 本年度に得られた成果としては、分析に用いるミクロデータの整備技法に関して、これまでに得ているknow-howの適用とデータ整備用プログラム及び資料の蓄積をあげることができる。これまでにも、延べ7調査に及ぶミクロデータの分析経験を持つことができたが、今回は分析環境が物理的に統計局内に限定されたこともあり、これまで以上に効率的な分析計画と新たなスキルが要求された。本年度の研究においては、分析に先立っデータ整備において過去の経験が活かせた他、将来、同じデータを利用する研究者のためにプログラムとドキュメントを整備することができたことも付随する成果の1つとなった。
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