2004 Fiscal Year Annual Research Report
日本の出生率低下要因に関する実証研究及び経済成長に関する理論研究
Project/Area Number |
15730112
|
Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
大山 昌子 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 講師 (50345451)
|
Keywords | 少子化 / 子どもコスト / 等価尺度 |
Research Abstract |
本年度は、出生率に関する実証研究を、2本の論文にまとめた。一本目は、"Measuring cost of children using Equivalence Scale on Japanese Panel Data"という論文で、等価尺度のRothbarth法と、所得に関する満足度を用いて、子どものコストを計測した論文である。この論文の推定によると、Rothbarth法で計測した子どもコストは、従来言われていたのと同じ程度のコストを示したが、近年より優れていると言われている、「所得に関する満足度」を直接効用水準として計測した方法では、子どものコストは従来推定されていたものよりも、大きいということがわかった。従って、日本では出生率低下が続いているが、子どものコストが高いことが、出生率低下の原因の一つではないか、と考えられることをこの論文では示した。 2本目の論文は、「子どもの養育・教育費用と出生率低下」という論文で、上述の論文において計測した子どもコストが、子どもの数に与える影響の計測を行なった。子どもコストとしては、計測したコストのほかに、「子ども一人当たりの1ヶ月の子どものための支出額」というものも、子どもコストとして用いた。その推定結果によると、やはり、子どもコストが高いような家計、つまり、子ども一人当たりに多くの費用をかけるような家計は、持っている子どもの数が少ないということが示された。
|
Research Products
(2 results)