2004 Fiscal Year Annual Research Report
親子間経済格差と子の就業行動および家族形成への影響
Project/Area Number |
15730126
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
滋野 由紀子 大阪市立大学, 大学院・経済学研究科, 助教授 (90291434)
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Keywords | 世代間格差 / 正規職 / 非正規職 / 就業行動 / 家族形成 / 結婚 / 同居 / 居住形態 |
Research Abstract |
昨年度に実施した20歳代の男女とその親を対象としたアンケート調査結果をもとに親子の経済状態に関するデータベースを構築した。そのデータベースを用いて親子の経済状態と子の就業状態、家族形成、居住形態との関係について分析を行った。そこで得られた主要な結果は以下の通りである。 アンケート調査では20歳代の男女に対して、現在の自分の父親の年齢に達したときに、そのときの自分の生活は今の父親の生活よりも経済的に良くなると思うかを尋ねている。今より良くなると回答した人がわずか13%に過ぎず、どちらともないが35%、悪くなると思っている人が実に36%にものぼることがわかった。これは昨今の日本経済の低迷を如実に現していよう。就業状態との関係では、正規の職員・従業員であれば17%の人が今より良くなると考えているが、派遣社員、契約社員、アルバイト等のいわゆる非正規職に就いている場合にはその割合が10%に低下していることが明らかとなった。婚姻状態との関係をみると有配偶者の23%が今より良くなると答えているが、無配偶者は14%と低くなる。居住形態別では、親と別居している人は24%が今より良くなると思っているが、親と同居している人は12%に留まる。これらは親子間の経済格差と子の就業状態、家族形成、居住形態には密接な関わりがあることを示唆する結果と言えよう。
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