2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730155
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
丸茂 俊彦 滋賀大学, 経済学部, 助教授 (00291419)
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Keywords | 金融契約論 / 銀行理論 / 銀行規制 |
Research Abstract |
本研究では、ミクロ的基礎付けのある理論的モデルを用いて、金融取引に付随する流動性リスクがどのようにしてシステミックリスクに発展するかという問題を分析し、システミックリスクの発生と拡散のメカニズムと、それを抑制する最適な金融規制の有効性に関する理論的な考察を行っている。 研究期間(計3年)の1年目にあたる平成15年度は、主として当研究に必要となる先行文献の収集および整理を行った。システミックリスクを考える際、部分準備制度の下での銀行システムの脆弱性が前提となるため、銀行組織に関する基礎研究をフォローしておく必要がある。そこで、不確実性、情報の非対称性、および契約の不完備性という3つの視点から先行文献の再整理を行い、その成果を論文1で発表した。さらに、Rochet and Tirole(1996)による銀行間(インターバンク)市場モニタリングのモデルを用いて、1銀行で生じた流動性不足が他の銀行の債務履行能力に波及する程度の大きさと、パラメータ化した流動性ショックの実現値との関係を導出し、Goodhart(1995)が提唱しているLLR(最後の貸手機能)を実行する際の基準について考察した。この成果は、論文2で発表した。 研究機関2年目の平成16年度は、本研究の課題を「金融仲介」というより大きなメカニズムの中での現象として考察するために、「銀行と貸し手との間の相互関係」、「銀行恐慌と銀行システムの安定性」、および「銀行規制」というテーマを中心として欧米の最新研究の展望を行った。 研究計画の最終年度である平成17年度は、今まで整理した先行文献をもとにして独自の理論モデルを完成させセミナー等で報告すると共にワーキングペーパーを公表した。今後、これらの成果を査読付雑誌に投稿する予定にしている。また本研究に関連のある文献の翻訳を共同で行い書籍として出版した。
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Research Products
(4 results)