2003 Fiscal Year Annual Research Report
企業結合及び無形資産の会計情報に対する情報利用者の評価に関する実証的研究
Project/Area Number |
15730215
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永田 京子 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 講師 (10345366)
|
Keywords | 合併 / 利益マネジメント / 無形資産 / 実証研究 |
Research Abstract |
本年度は企業結合と関連して顕在化することの多い無形資産の評価・測定に関する現実に根ざした研究を行うことを目的として,以下の3点を行った. (1)企業結合に関連する利益マネジメントの実態とそのインセンティブの解明 利益マネジメントに関する既存研究のサーベイを行うともに,日本企業の合併にサンプルを絞って利益マネジメントの実態を調査した. (2)無形資産の評価・測定に関する先進的な取り組み事例の調査 8月に北海道大学大学院医学研究科を訪問し,代表的な無形資産の1つでありながら,これまでほとんど例のない医療技術の特許化を経験し,企業と共同で製品化に取り組んでいる事例について貴重な情報を得ることができた.また,9月には無形資産の実務が先行している英国を訪問し,英国のGuys' and St.Thomas TrustおよびUniversity of Manchesterを訪問し,インタビューならびに資料収集を行なった.英国では2000年に無形資産を構成する非財務的な要素の測定に適しているバランスト・スコアカード(BSC)を導入している.特に今回訪問したGuys and St.Thomas NHS trustではBSCの実践例として,下部組織における具体的な活動状況等,希少性の高い情報を入手することができた. (3)国内外の研究者との討議を通じた実証モデルの模索 11月にタイで開催されたThe Fifteenth Asian-Pacific Conference on International Accounting Issues (2003年11月22日〜25日)に出席した.初日のワークショップに参加するとともに,学会全般を通じてアジア・太平洋地域はもとより,実証会計研究が進んでいる欧米諸国をはじめ世界各国の多数の研究者と意見交換を行った.
|