2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730216
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
與三野 禎倫 岡山大学, 経済学部, 助教授 (80346410)
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Keywords | 新株予約権 / ストック・オプション / バリアー・オプション / キャップ・オプション / 公正価値 / 新株引受権方式 / 行使政策 / 条件付持分証券 |
Research Abstract |
ストック・オプションは,(1)転売市場が存在しないため,早期行使される特徴がある,(2)退職等による権利喪失の可能性がある,という市場性があるオプションとは異なった特徴を有する。このために,企業が負うコストとして位置付けられるストック・オプション公正価値は,オプション保有者の行使政策に依存する。そこで,とくに(1)の特徴について,米国財務会計基準123号および国際財務報告基準・公開草案第2号は,時間パラメータの切り下げによってその価値に反映する測定方法を想定している。しかしながら,米国の先行研究であるHuddart and Lang[1996]が提示した証拠は,当該測定方法を支持していない。そこでは,直近の株価動向をコントロールした後も,株価・権利行使価格の比率の水準と行使行動の正の相関が示されている。これは,Huddart[1994]が提示した株価の「境界値」をパラメータへ導入する一定の証拠付けを示す。そこで,平成15年度は,Broadie and Detemple[1995]の,配当支払のあるアメリカン・キャップ付きコール・オプションの価格式を参照することによって,株価の「境界値」をパラメータへ導入したストック・オプションの公正価値の評価を,Barrier-Options Approachとして行った。ここでは,ソニーの平成9年発行ストック・オプションがケースとして示されている。さらに,制度導入から5年が経過してサンプル数の確保が可能となったことを契機に,わが国の証券取引所のオプションの付与と行使の記録を月次データとして集計した。当該サンプルはわが国のオプション保有者の行使政策の検証(平成16年度)を行う際の基礎となる。
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Research Products
(1 results)