2003 Fiscal Year Annual Research Report
モジュール化による製品イノベーションと原価企画に関する実証研究
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15730221
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
近藤 隆史 長崎大学, 経済学部, 助教授 (60336146)
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Keywords | 原価企画 / 導入プロセス / コスト・マネジメント |
Research Abstract |
製品開発のためのコスト・マネジメントである原価企画の導入プロセスおよびそれに伴う製品イノベーションについて、自動車部品メーカーと電源装置メーカーの2つの企業を対象に調査を進めてきた。各社の原価企画導入プロジェクトの開始当初から研究代表者は継続的なフィールドリサーチを実現することができた。各社の協力も有り、一度の調査だけでは知ることのできない導入プロセスの具体的なデータが入手できた。現在、各社の導入段階は原価企画(組織体制、管理会計システム、VE、サプライヤー関係)の大枠が確定し、来年度から試行期間に入ることが予定されている。 また、電源装置メーカーでは今年原価企画導入にともなう組織、行動、パフォーマンスの変化を定量データを収集するために関係部署に質問票調査を案施した。現時点では原価企画導入前の状況での実施であるので、導入の適当な段階で複数回、同様の質問票調査を実施しする予定である。各段階のデータを比較することで、原価企画の導入プロセスの経時変化を定量的に認識することができる。 以上の調査を通じて、各社の原価企画導入のプロセスが詳細に把握することができた。また、、フィールドワーク、質問票調査だけでなく、文献ザーベイを中心とした研究の理論的フレームワークの構築にも注力した。その成果の一部は学会(第62回目本会計研究学会全国大会)でも報告されている。定性、定量データをあわせて原価企画導入の理論的フレームワークの検証、再構築などが今後との課題となる。 なお、本研究では、企業での現在進行中の製品開発システムの導入プロセスを対象としていることもあり、研究の進捗および成果の公表は、その企業でのプロジェクトの進行にあわせる必要があるので、各社の具体的なデータに基づく成果の公表は本年度においては見合わせることにした。
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