2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730248
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
堀田 恭子 長崎大学, 環境科学部, 助教授 (20325674)
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Keywords | 公害被害者運動 / 自然環境保全活動 / リサイクル活動 / 棚田保全活動 / 新潟水俣病問題 / カネミ油症問題 / 長野冬季五輪 / 地域自治会 |
Research Abstract |
平成16年度は、前年度で収集した先行研究等の資料をもとに、事例に関する年表作成、主体連関図等の作成などを中心に行ってきた。また補足調査として、長野県白馬村の自然環境保全活動については、4月、5月、8月に実施した。棚田の保全活動に関する調査は9月に長崎県内の4自治体をまわった。埼玉県のリサイクル活動に関する補足調査は9月、10月、12月と行い、具体的には行政資料等の収集をした。 その結果、長野県白馬村の自然環境保全活動については、2004年までの白馬村に関する記事を収集し、年表を現在、作成しているところである。なお、棚田に関しては、長崎県内の棚田百選に選ばれた6つの自治体を中心に、政策的な側面から、棚田保全組織の現状と課題として、現在、論文を準備している。さいたま市のリサイクル活動に関しては、市町村合併後、ようやく条例等の制度が整いつっあるので、現在は、過去の資料を整理しつつ、現在の資料をどのような視点から整理するかを検討中である。またカネミ油症問題に関しては、主体連関別(原因企業・行政・運動主体・その他)の年表を1980年代まで作成を終えた。 一つの成果としては、11月に熊本大学で開催された第77回日本社会学会大会の環境部会で、「新潟水俣病問題における被害構造の変革の試み-受容-克服過程への着目」と題して報告を行った。受容-克服過程に着目することで、先行理論としての被害構造論をさらに豊富化できることを中心に報告を行ってきた。 今後は、これまでの調査研究をもとに、個別の事例に即した論文を準備すると共に、最終的にそれらを、個人の克服過程に着目し、比較研究を行う予定である。
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