2004 Fiscal Year Annual Research Report
「リスク社会」における地域情報空間の配置と亀裂に関する比較研究
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15730251
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中澤 秀雄 千葉大学, 文学部, 助教授 (20326523)
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Keywords | リスク社会 / 多様化する地域 / 情報空間と格差 |
Research Abstract |
8年間にわたり遂行してきた新潟県柏崎市・巻町調査については、巻町のサーベイ調査を15年度に実施した。その結果分析も加えて、研究成果を書籍原稿としてまとめたところであり、平成17年度中の刊行をめざす。「多様化する地域」の一端は、『地域社会学会年報第17集』(2005/5)に掲載予定の論文、および『講座社会学3 村落と地域』(東大出版会、20005/5)に掲載予定の原稿によっても明らかにしたが、上記書籍では新潟の事例に基づいて「多様化・多層化する地域」の姿を詳細に展開している。 また平成15年度から継続している札幌市における調査では、情報空間に関する考察を深めるためメディアリテラシーをキーワードにして道内メディア関係者との研究会などに出席し、北海道文化放送(UHB)と協同して「札幌市民のくらしとテレビに関する調査」を実施するなどした(2004年10月、調査そのものは別経費で実施)。その分析により、情報格差の実態がより浮き彫りになるものと思われる。 同様に平成15年度から継続している北海道江別市における調査では、野幌地域の「まちづくり」活動に参与観察しながら地域の生活史を聞き取り、発信する課題に取り組んでいる。これについては、本年度5月に開催される地域社会学会大会で報告し、これをさらに展開して上述の『地域社会学会年報第17集』掲載論文にまとめた。 以上のような諸事例を「地域情報空間論」として理論化していくため、空間論を軸に先行研究のレビューと理論枠組みの彫琢を進めることが、最終年度である平成17年度の課題となる。
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Research Products
(4 results)