2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730255
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
下村 恭広 早稲田大学, 文学学術院, 助手 (00350372)
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Keywords | 地域社会・村落・都市 / 環境社会学 |
Research Abstract |
本研究は、リサイクル活動に関わる多様な担い手の実態把握を目標とし、主として再生資源卸売業者の歴史と現状を中心に調査を進めた。その結果、以下の点に関する知見を得られた。(1)都市生活において排出される不要品の流通に関して、いわゆる「ごみ」と、有価物である「屑物」との区別が、歴史的に変化してきたこと。(2)「屑物」を取り扱ってきた再生資源卸売業は、都市の不安定雇用層の貯水池を基盤とする独特の買い回り型回収機構を含み、その上に零細の撰分加工業者と、一定の土地・設備を備えた問屋がいるという独特の分業構造を形成していたこと。(3)こうした再生資源卸売業に固有の分業構造は、地域的近接性に基づいた取引関係を形成し、一種の「地域産業集団」としての性格を保有していたこと。(4)1970年代後半以降の自治体清掃事業におけるリサイクル政策への転換に伴い、一部の業者には、市民活動と継続的な関係を保つことで自らの事業の公共性を主張しはじめている動きが見られる。仮に市民活動と再生資源業界との連携が最善の形で実現した場合、回収部門と選別・再資源化部門、あるいは市民セクターと市場セクターとの双方をつなぐことができるような、物質循環における新たな関与主体が形成される可能性もある。
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