2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の生きがい観およびその規定要因に関する都市・農村間比較実証研究
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15730258
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
坂本 俊彦 山口県立大学, 地域共同研究センター, 助教授 (40342315)
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Keywords | 高齢者 / 生きがい / 生きがい感 / 生きがい観 / 生きがい対象 / 生きがい支援 / 都市郊外住宅地域 / 地域団体 |
Research Abstract |
本研究は、生きがい支援事業の効率化を意図し、中高年者及び高齢者の生きがい観(「生きがいある生き方」並びに「生きがい対象」)とその規定要因を、居住地域の特性に焦点をあてて明らかにするものである。本年度は、昨年度において確定した枠組みに一部準拠して、郵送によるアンケート調査を実施した(対象選定:多段無作為抽出法、調査対象:下関市在住50歳以上男女3,000人、有効回収数1,380、回収率46.0%)。この調査によって得られた知見は以下の通りである。 「生きがいある生き方」(多重回答)については、「家族重視」(90.5%)が最も多く、「友人重視」(85.4%)、「社会貢献重視」(63.4%)、「生業(仕事/育児)重視」(59.9%)、「趣味重視」(56.2%)の順であった。居住地域の特性との関連では、「家族重視」及び「社会貢献重視」については居住地域による差は見られなかったが、「友人重視」及び「仕事重視」については自営業者定住地域において、また「趣味重視」については被雇用者定住地域において相対的に高いことが明らかとなった。 「生きがい対象」については、「子孫団欒」(86.7%)、「夫婦団欒」(78.9%)、「友人団欒」(74.5%)、「趣味スポーツ」(71.9%)、「仕事」(71.2%)、「勉強教養」(56.2%)、「テレビラジオ視聴」(51.6%)、「家事育児」(47.4%)、「世代間交流」(45.2%)、「社会貢献」(42.8%)の順であった。居住地域の特性との関連では、「夫婦団欒」及び「友人団欒」については自営業者定住地域において、また「勉強教養」及び「趣味スポーツ」については被雇用者定住地域において相対的に高いことが明らかとなった。 以上の結果から、居住地域の特性が生きがい観に一定の影響を持つことが明らかである。それは、他者との交流/活動内容のいずれに重点を置くかという観点から整理することができる。このように、生きがい支援事業を展開するにあたっては、居住地域の特性に配慮した計画の立案が必要であると言える。
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