2003 Fiscal Year Annual Research Report
子育て支援サービス提供におけるマネジメント機能に関する研究
Project/Area Number |
15730265
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
上村 麻郁 東洋大学, 社会学部, 助手 (50349932)
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Keywords | 子育て支援 / マネジメント / 専門性 / ソーシャルワーク的視点 |
Research Abstract |
児童福祉における、「子育て支援」の位置づけを明確化することを目的の一つとし、「子育て支援」をキーワードに、社会福祉分野だけでなく、近接分野(心理学、経済学、教育学、保育、家政学等)での文献レビューをまず行った。「子育て支援」という用語は学際的に議論されているが、研究分野が違えばその概念にも多少の違いがでてくる。その中で、社会福祉とりわけ児童福祉における「子育て支援」の概念、および、その固有性を見いだすことができたとは残念ながらいえない。 それは、(1)実践報告、理念的言及等の文献は非常に多いものの、ソーシャルワーク的視点からの専門性に関する議論がほとんど見られない、(2)社会の変化にともない、「子育て支援」の必要性が言われるようになった背景とその過程についてふれ、児童福祉の対象が拡大していく展開を論ずるものが多い、(3)理念的には、子どもの発達や子どもの権利保障に言及しているものの、具体的展開は母親への就労支援としての子育て支援のなっている、(4)実践報告は多いものの、専門的視点から理論化されたものは見られない、などの理由よる。 本研究の目的である子育て支援におけるマネジメント機能について考えたとき、どこにその必要性を論じることができ、効果的に活用することができるのかが当面の課題となる。今日、どの自治体を見ても多少の差はあるものの、非常に多くのサービスが用意されている。それらのサービスについて見てみると、地域住民にとってはたして使いやすいものとなっているのかという疑問が生じた。そこで、マネジメント機能の必要性を明らかにすべく、自治体を選定した調査を行っている。 また、当初から調査を続けていた「子ども家庭支援センター」であるが、自治体によりその取り組みは様々で、地域性を考えた上でも、子ども家庭支援センターに特化して子育て支援サービス提供におけるマネジメント機能に関して言及するのは困難であることがわかった。
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