2004 Fiscal Year Annual Research Report
コミュニケーションが困難な障害のある人とその生活支援者との会話のビデオデータ分析
Project/Area Number |
15730269
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Research Institution | Momoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
黒田 隆之 桃山学院大学, 社会学部, 専任講師 (40351770)
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Keywords | 障害者 / 生活支援 / 会話分析 |
Research Abstract |
平成16年度研究実施計画にもとづき、昨年度に引き続き、ビデオデータの分析(ビデオデータから会話のトランスクリプトを作成し、基本的な会話の方法について検討するとともに、会話の順番取りや隣接対などの分析概念に基づいて分析を行う)と分析内容の検討(他の研究者や生活支援者とともに、コミュニケーションのとり方に関してディスカッションを行い、分析内容に検討を加える)を行った。 言葉を発することができない人を対象とする会話分析の先行研究がほとんどないため、分析枠組みの構築作業から研究活動を行っているため、当初の研究計画予定よりも遅れている現状があるが、現在、ここまでのプロセスを論文としてまとめている最中である。利用者と生活支援者の会話分析の結果の普遍化はかなり困難であることがわかってきたので、質的な研究方法も視野に入れ、個別的具体的な事例検討としてまとめざるを得ない側面もある。 また、平成16年度は、スウェーデンとアメリカの障害のある人の地域生活支援の現場を見学し、自立生活支援の概念や自己決定の概念の質的な違いについて検討する機会を得た。スウェーデンでは、福祉サービスが充実している分、障害のある人の生活がより保護的である面が多いように思われ、アメリカにおいては、障害のある人の自己決定は最大限に尊重されるが、それを実現することについては自己責任であるような面が多いように思われた。このような内容については、研究の分析の参考として活用していく。
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