2003 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害者に対する生活支援としての成年後見制度に関する研究
Project/Area Number |
15730274
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Research Institution | University of Shizuoka,Shizuoka College |
Principal Investigator |
岩田 香織 静岡県立大学短期大学部, 社会福祉学科社会福祉専攻, 助手 (40342084)
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Keywords | 成年後見制度 / 支援費制度 / ソーシャルワーク / 知的障害者 / 身上監護 / 社会福祉士 / 成年後見センター |
Research Abstract |
今年度は、平成17年までの研究の基礎を構築し、全体の方向と枠組みを捉えることを目的とした。あわせて成年後見制度の実状を把握し、課題の所在を探るために、筆者自身の成年後見活動を開始し、知的障害者施設における成年後見制度に関する説明会、地域での相談会に従事した。 1.成年後見制度の利用状況について 平成15年度は障害者福祉分野に支援費制度が導入され、福祉サービスに関する契約や契約能力に関して民法上の適格性、妥当性を改めて見直す契機となった。成年後見制度は、知的障害者にとって合法的な契約の妥当性を補完する制度として一層広く認識される必要がある。しかし、現状ではその必要性ほどには活用されていない。 支援費導入の前年にあたる1年間の実績は、制度開始1年目に比して後見開始審判申し立て件数は71%増、保佐開始審判申し立て件数72%増と高水準の割合で増加の一途をたどっている。しかし、その申し立て動機は財産管理に偏重しており、65歳以上の高齢者に利用が多い。また家族、親族が後見人に選任された件数は全体の約84%を占めており、支援費制度が、知的障害者の成年後見制度利用にドラスティックな影響を与えたとは言い難い現状にある。 2.成年後見人としての活動 筆者は社会福祉士会成年後見センターに登録し、地域の無料相談会、知的障害者施設保護者会への説明会に従事するとともに、後見人としての選任を受け、後見活動を開始した。これらの活動を通して、成年後見制度におけるソーシャルワークという捉え直しを行い、後見活動とソーシャルワークの相違点と共通性に関する課題整理と考察行った。
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Research Products
(1 results)