2003 Fiscal Year Annual Research Report
目標設定状況における高業績者の学習プロセスの特徴に関する心理学的研究
Project/Area Number |
15730288
|
Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
柳澤 さおり 中村学園大学, 流通科学部, 専任講師 (00341397)
|
Keywords | 目標設定 / 高業績者 / 学習プロセス |
Research Abstract |
1.研究目的 研究目的は,(1)目標設定状況における高業績者の目標達成および学習プロセスの特徴について検討すること,(2)企業の研修などを手がける教育団体もしくは調査対象企業における人事部と協力して,効果的な学習を促進する教育プログラムや診断ツールを作成すること,であった。 2.平成15年度の研究内容 上記の研究目的を達成するために,平成15年度は(1)本研究に関わる研究のレビュー,(2)予備調査,を計画していた。 (1)本研究に関わる研究のレビュー 心理学の分野での目標設定理論,目標管理制度,職場の学習,人事制度に関する研究,および経営学の分野での組織の学習などに関する研究について書かれた書籍や論文を整理した。その結果,様々な研究で目標設定の有効性が示されているが,(1)目標設定状況での組織成員の行動や思考の特徴について検討する必要があること,(2)目標管理制度のプロセスは,職場の学習に不可欠な条件である「仕事の方向性の明示」や「仕事の良し悪しに関わるフィードバックの提示」に関わっていることが明らかになった。 (2)予備調査 研究のレビューによって明らかになった研究課題に関して,インタビューや過去の研究知見を基に作成した探索的名アンケート調査を行った。その結果,高業績者は,設定する目標が多く,目標設定をすることで,自分の職務課題を,意識化する度合いが高いこと,そして相対的に仕事を効果的に進める戦略的な行動を選択すること,また学習に関わるフィードバック探索行動をよく行っていることが示唆された。 これらに関わる結果の一部を,産業・組織心理学会 第19回大会で発表した。
|