2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730295
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
今田 里佳 信州大学, 教育学部・附属教育実践総合センター, 助教授 (80306670)
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Keywords | 持続的注意 / 時間知覚 / 時間弁別 / 周波数弁別 / AD / HD |
Research Abstract |
本研究では,客観的パフォーマンスを指標とした注意機能検査を開発し,注意能力の定量化を試みる.開発にあたっては生態学的妥当性を重視し,児童生徒にとって親しみやすい刺激材料を用いる.検査は個別で実施した.検査では,聴覚的刺激(音)をコンピュータ制御し,被験者に提示した.被験者は,これらの刺激をモニタリングし,教示に従って適切な反応をすることが求められる.本年度は持続的注意の問題に関わると考えられる時間知覚(ある一定の長さの時間をどのように知覚するか)にターゲットを絞り検査課題の選定を進め,時間弁別課題と周波数弁別課題を作成した.作成した課題を一般小学生及び軽度発達障害のある小学生を対象として実施した.この結果,時間弁別課題においては,先行研究が示すようにAD/HDのある子どもの時間弁別閾が一般小学生よりも大きい様子が見て取れたが,被験者の少ないことと分散の大きいことが影響し有意な差を検出できなかった.また,周波数弁別課題では,年齢の低い群における課題の不理解が生じたことや,音楽経験の要因による課題遂行の困難さなどがあり,一般小学生とAD/HDのある子どもの比較ができなかった.これらのことを考慮に入れ,.大学生を対象として課題の検討を行った.時間弁別課題及び周波数弁別課題においては,課題における比較時間や比較周波数の設定,弁別閾算出方法の妥当性をさらに検討し,課題を精選することが来年度の課題となった.
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