2003 Fiscal Year Annual Research Report
「大学授業」の異化-大学教育学の構築と対話的FDの開発に向けて-
Project/Area Number |
15730297
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
神藤 貴昭 京都大学, 高等教育研究開発推進センター, 助手 (00314261)
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Keywords | 大学授業 / FD / 大学教育学 / 大学教員 |
Research Abstract |
平成15年度の本研究は以下のように展開した。(1)(2)(3)は基礎的研究であり、それらに基づいて(4)(5)の応用的研究がなされた。 (1)内外の大学授業研究および授業観に関する研究について、文献研究をおこなった。その結果、大学授業観の多様性の発生メカニズム、大学授業観の授業過程等への影響、さらには大学授業の「異化」場面を検討する際に、「大学授業フレーム」概念を用いることが有効であることが明らかになった。 (2)一般的な一斉授業である京都大学公開実験授業「ライフサイクルと教育」の1時限をVTRに撮り分析し、また授業者へのインタビューもおこない、授業者の授業観(「大学授業フレーム」)が現れている箇所の検討をおこなった。これによってミクロな場面における「大学授業フレーム」の授業過程への影響、「大学授業フレーム」の調整・変容の様相が明らかになった。 なお、上記(1)(2)の成果の一部は『京都大学高等教育研究』等に掲載した。 (3)FD活動の類型化をおこない、授業者の授業観(「大学授業フレーム」)の交換を促すFDはどのようなものかについて検討をおこなった。「啓発型」「モデル伝達型」「ファカルティ連携型」「反省型」のFDに比して「ネットワーク志向型」のFDがそれに適すると考えられた。これらの成果の一部は『日本教育工学会論文誌』等に掲載した。 (4)(1)(2)(3)における議論に基づき、大学教員間の学び合いのためのWebサイト「ひまわり」をメディア教育開発センターの研究者と共同で試験的に構築した。現在、本サイトにおける発言等の分析をおこないつつある。 (5)異なった文化を持った大学間の遠隔授業(京鳴バーチャル教育大学プロジェクト:KNV実践)を実施し、そこにおける教員間の学び合いについても、現在、分析をおこなっている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 神藤貴昭: "「大学授業フレーム」による授業進行過程の組織化"京都大学高等教育研究. 9. 99-127 (2004)
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[Publications] 田口真奈, 藤田志穂, 神藤貴昭, 溝上慎一: "FDとしての公開授業の類型化-13大学の事例をもとに-"日本教育工学会論文誌. 27(Suppl.). 25-28 (2003)
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[Publications] 京都大学高等教育研究開発推進センター: "大学教育学"培風館. 184 (2003)