2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730298
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Research Institution | Nara University of Education |
Principal Investigator |
横山 真貴子 奈良教育大学, 教育学部, 助教授 (60346301)
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Keywords | 幼稚園 / 幼児 / 3年保育 / 絵本 / 家庭 / 読み聞かせ / 縦断研究 |
Research Abstract |
本研究の目的は,保育経験を一斉にスタートさせる幼稚園の3歳児を対象に,3年間の縦断的な観察研究を行い,保育における子どもの育ちを,特に絵本との関わりに着目して明らかにすることである.研究初年度である本年度は,所属大学附属幼稚園の3年保育3歳児1クラス(24名)の保育観察及び家庭での読み聞かせ調査を,以下の通り実施した. 1.研究経過 (1)保育場面の読み聞かせ (1)保育観察:03年4月下旬より04年3月上旬に,登園時から降園時までの観察を計34回行った.保育全般の流れをフィールドノートに記載すると同時に,幼児が絵本と関わる行動に関してはビデオ撮影を行った. (2)保育者への面接:観察後,保育と幼児の様子,読み聞かせの意図などについて尋ねた.学期末には、観察結果を確認してもらい,意見を交換し,次の展開を検討した. (2)家庭での読み聞かせ (1)アンケート:家庭での読み聞かせ経験と入園後の変化に関するアンケートを03年7月に実施した.22名(回収率91.7%)から回答を:得,分析を行った.結果をまとめたものを、03年9月に保護者に配布した. (2)訪問観察:03年11月に絵本に関するパンフレット『絵本と赤ちゃん』を保護者に配布し,訪問観察協力者を募った.その結果,5名の了承が得られ,03年12月〜04年2月に訪問観察を行った. 2.主要結果 上記の研究の結果,以下の3点が明らかになった.第1に,園での絵本体験は,家庭での絵本体験に影響を与え,変化をもたらす.家庭での読み聞かせの頻度が増え,読む絵本の種類も増加した.第2に,家庭で絵本に接することの少ない幼児にとって,園は絵本と関わる機会を提供する.第3に,園での幼児と絵本の関わりには,友だちの存在が大きい.1人で絵本を手にするだけでなく,友だちと一緒に絵本を読む行動が頻繁に見られた.4月当初は絵本を手にすることが少なかった幼児も,友だち関係が広がるにつれ,絵本に関わる機会が増えた.
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