2004 Fiscal Year Annual Research Report
法則発見学習事態におけるメタ認知の脳過程に関する電気生理学的研究
Project/Area Number |
15730306
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Research Institution | Kyushu Lutheran College |
Principal Investigator |
岩木 信喜 九州ルーテル学院大学, 人文学部, 助教授 (80341593)
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Keywords | 法則発見課題 / 2-4-6課題 / 背理法 / 事象関連電位 / フィードバック関連陰性電位 / フィードバック関連陽性電位 |
Research Abstract |
学習観の個人差が,問題解決事態におけるフィードバック刺激(FB)の認知の個人差と関連するのかどうかを検討した. 方法 対象者:大学生21名.課題と手続き:被験者は2-4-6課題を改変した課題を行った.1ブロックは20試行からなり,各試行ごとに仮説(例:偶数)と検討内容(例:奇数が当てはまるかどうか),および,具体例(例:1,3,5)が用紙に記入されていた.被験者は,それらを読み上げ,具体例が真の法則に当てはまっているかどうかのFB (Y/N)を視覚的に受けた.FBは,被験者がボタンを押すことによってディスプレイ上に呈示された.20試行終了後に有力と考える仮説を記入してもらい,それに対しても正誤のFBを与えた.被験者は,1ブロックの練習の後,計20ブロックの本試行を行った.脳波の測定と分析:脳波は,両耳朶の平均電位を基準として,前頭部,中心部,頭頂部から導出した.FBを与えた時点を基点(0時点)として脳波をFB前200msからFB後800msまで加算した.学習観の質問紙:市川・堀野・久保(1998)の失敗に対する柔軟性尺度,思考過程の重視尺度,方略志向尺度,意味理解志向尺度の各6項目を「全く当てはまらない」から「とてもよく当てはまる」までの5段階で,実験後に評定してもらった. 結果と考察 フィードバック関連陰性電位(FN)については,FB呈示後250msから350msまでのCz部位の区間平均電位を算出し,フィードバック関連陽性電位(FP)は,350msから450msまでのPz部位の区間平均電位を算出した.これらの平均振幅と4つの学習観の合計得点との積率相関係数を算出した. その結果,方略志向が強い人ほど,あるいは,意味理解志向が強い人ほど,単なる確証を意味するFBに対してはFNが増大しない傾向があり(それぞれr=0.463とr=0.400),さらに,背理法の適用によって矛盾の成立不成立が確認された場合,FBに対してFPが増大する傾向が認められた(それぞれrs>0.426とrs>0.400).
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