2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15730311
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
宮下 敏恵 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (40308226)
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Keywords | 感情表出の制御 / 怒り / 精神的健康 / 対人不安 |
Research Abstract |
「キレル」などふつうの子どもが内面に抱えている不満やストレスを爆発させる「いきなり型」の非行が生じているといわれている(文部科学省,2002)。「キレル」のように、過多に感情を表出したり、逆に抑えすぎたりせず、状況に応じて怒りの感情を適度に表出できることが、対人関係の円滑さにつながると考えられる。怒り感情の表出に関する研究は、今まで表出をよくおこなうのか、抑制するのかという頻度の側面から行われてきた。このような頻度の側面からだけではなく、キレルのように過多に感情を表出したり、過剰に抑制したりというように、制御の量についても検討することが必要だと考えられる。そこで、制御の量、つまり怒りを感じる程度と怒りを表出する程度のズレに焦点をあて、精神的健康、対人不安との関係を検討した。また、友人場面、公的場面という場面の違いも検討した。 結果として、友人場面において、男性は表出を抑える人が精神的に健康であり、公的場面においては、ズレが小さい男性が精神的に健康であるという違いがみられた。場面、制御差によって、精神的健康、対人不安との関連が異なることが示された。感情表出を多くする方が健康というわけではなく、場面に応じて異なる表出を行うことが重要だと考えられる。
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Research Products
(1 results)