2005 Fiscal Year Annual Research Report
抑制された否定的感情の表出が心理的・身体的健康に及ぼす臨床的効果の検討
Project/Area Number |
15730315
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
岩満 優美 北里大学, 大学院医療系研究科, 助教授 (00303769)
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Keywords | 感情抑制 / 特性不安 / 心理的苦痛 / 心理学的介入 / 乳がん / 告知 / ストレス / 精神的健康 |
Research Abstract |
本年度は以下のデータを分析し、学会で発表および論文などにまとめた。 (1)乳腺外来に初めて受診する患者の心理的ストレスについて調べた。その結果、乳癌患者の心理的ストレスには、特性不安の高さと過去1年のストレスライフイベント経験の多さが関与していることがわかった(第10回日本緩和医療学会・第18回日本サイコオンコロジー学会・第18回日本総合病院精神医学会発表)。 (2)初発の乳がん患者の心理的ストレスについて初診時から退院後といった治療経過のなかで調べた。その結果、感情抑制傾向の高い人と特性不安の高い人は、心理的ストレスがいずれの時点においても高く、乳がん患者に対する告知後からの心理的介入の重要性が示唆された(日本心理学会第69回大会で発表、Health Communication・Psychosomaticsに掲載、Mood State and Healthを共著)。 (3)看護系大学に勤務する助手の精神的健康について調べた結果、助手の精神的健康を考える際には、個人達成感、脱個人化、情緒的消耗感の関与、さらに主体的な職務および結果が捉えられる職務の重要性が示唆された(第31回日本看護研究学会・第25回日本看護科学学会発表)。 (4)大学生を対象に精神的健康について調べたところ、過去1年のストレス経験の多さ、特性不安の高さ、および怒り抑制の高さが精神的不健康を導きやすいことがわかった(第69回日本心理学会で発表)。 (5)不登校を伴う睡眠障害患者の心理的特徴について健常者と比較した。その結果、睡眠障害児は健常児と比較して、引っ込み思案で、感情を抑制しやすく過剰適応の傾向が高いことがわかった(第30回日本睡眠学会で発表)。
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Research Products
(3 results)