2004 Fiscal Year Annual Research Report
高齢骨粗鬆症患者を対象にした包括的ライフスタイル改善プログラムの開発
Project/Area Number |
15730321
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
中村 菜々子 広島大学, 大学院・教育学研究科, 助手 (80350437)
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Keywords | 健康心理学 / 高齢患者 / Transtheoretical Model / 骨粗鬆症 |
Research Abstract |
行動変容のTranstheoretical Model(トランスセオレティカル・モデル:Prochaska & DiClemente,1983)は,対象者を行動変容に対する準備性の違いに応じた介入を実現することを目指した統合的・包括的なモデルであり,近年様々な健康行動に適用されている. 骨粗鬆症の治療と予防には,投薬だけでなく,適度な運動やカルシウムの多い食事習慣など複合的な健康行動を習慣化することが重要な意味を持っている.本研究では,骨粗鬆症患者のライフスタイル改善に行動変容のトランスセオレティカル・モデルを適用するための基礎研究を行うことを目指し,昨年度は第一段階として,骨粗鬆症患者が管理すべきライフスタイル行動の具体的内容を整理し骨粗鬆症の予防・治療に役立つライフスタイルとして必要な14項目を選定した上で,約370名の成人男女を対象に調査を実施し,各項目が対象者にどの程度正確に把握されているのかについて明らかにした. 本年度は,昨年度に引き続き先行研究の展望を実施し,展望結果と昨年度の研究結果とを併せて検討し,骨粗鬆症患者を対象にした健康教育における介入目標を「全般的なライフスタイル改善への動機づけ」,「栄養指導の積極的受講」,「運動指導の積極的受講」,の3つに絞った.この3つの目標について,トランスセオレティカル・モデルの観点から,行動変容のステージとセルフエフィカシーに関する尺度項目を準備した.これらの項目に,自由記述(意思決定バランス項目作成の予備調査),骨粗鬆症患者に特有の心理的問題(抑うつ状態,転倒恐怖など)を加えた質問紙を作成し,高齢骨粗鬆症患者のデータを収集中である. 平成17年度は患者からのデータ収集を続け,モデル構成を行う作業を順次進める計画である.
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Research Products
(1 results)