Research Abstract |
本研究は,中学生を対象とした効果的なストレスマネジメントプログラムの開発と効果の検証を目的としている.今年度の研究計画は,(1)中学生を対象としたストレスマネジメントプログラムを実施するために必要な資料・教材(授業指導案,ワークシート等)を作成する,(2)実施担当教師の事前研修を行い,中学校生徒を対象としたストレスマネジメントプログラムを実施する,(3)プログラムを実施した教師を対象とした面接調査等を行い,プログラム実施に関する注意点,問題点,今後の課題等を整理することであった. まず第一点目については,研究代表者がこれまでに作成したストレスマネジメント授業に関する指導案とワークシートを加筆修正し,授業の回ごとにまとめた資料集(冊子)を作成した.今後,ストレスマネジメント授業を実践する教師等を対象とした効果的な補助教材といえる. 第二,三点目については,中学校,および近接領域である高等学校における実践を予定している教師等2名を対象に事前研修を行った.具体的には,心理的ストレスの簡単な講義,リラクセーション法の練習,他の教師等が実施したストレスマネジメント授業の録画ビデオによる学習,模擬授業等が研究代表者によって行われた.その後,中学1〜3年生,および高等学校3年生を対象としたストレスマネジメント授業がそれぞれ実施された.高等学校における実践では,4回の授業のいずれに対しても,生徒の9〜6割程度が興味関心を持ち理解できたと評価していた.また,実践後のインタビューでは,事前研修や模擬授業が役立ったこと,授業開始当初は生徒の興味関心が高いが,授業回数が多くなると生徒が徐々に退屈を感じるようになる可能性があること等が報告された.
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