2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高齢者、百寿者を対象とした人の認知機能の維持、低下に関する実験的研究
Project/Area Number |
15730346
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
権藤 恭之 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (40250196)
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Keywords | 超高齢者 / 認知機能 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度実施できなかった反応時間課題に関する評価、超高齢者と比較するための若年高齢者に対する記憶課題のデータの収集、最後に家族の評価によって百寿者の認知機能を推定する尺度を作成した。反応時間の課題は、注意、判断、心的回転、記憶(再認)の4課題を45名、平均年齢80歳の被験者に実施した。結果から加齢に伴って遅延する反応時間の遅延グローバルに生じていることを確認した。このことから、処理速度の課題少数の課題で代表できることが確認された。 記憶課題は、65歳から90歳までの高齢者に対して3単語の再生、再認、住所氏名の再生・再認課題および、言葉の逆唱課題を実施した。これらの項目は昨年までに収集した同様のデータと現在比較を行っており、採点方法を検討中である。 百寿者の認知機能を推定する尺度は、百寿者調査に参加した参加者300名の追跡調査の一部として実施した。事前に設定した21項目の百寿者の日常行動に関する項目に対する評価を、項目反応理論を用いて分析し、19項目の完全版と10項目版の短縮版を構成した。尺度の信頼性は高かった(α=.94,.87)。MMSEとの得点との相関も高く(r=.85,.83)、妥当性も高いことが示された。百寿者の認知機能の評価を訪問面接調査だけでなく、郵送調査や電話インタービューによって実施することが可能となった。今後この方法を超高齢者群に対しても適用し、実際に課題を実施する方法と他社評価法とを併用する形で、超高齢者の認知機能評定尺度を完成させる予定である。
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Research Products
(3 results)