2004 Fiscal Year Annual Research Report
少人数学級が児童・保護者・学校組織にもたらす教育効果の研究
Project/Area Number |
15730349
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
根津 朋実 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344958)
|
Keywords | 少人数学級 / クラスサイズ / 埼玉県志木市 / 小学校 / SBCD / フィールドワーク |
Research Abstract |
第二年次の研究を遂行した結果、以下の知見を得ることができた。 1.2004年6月以降、月に3〜4回のペースで、小学校低学年に対し25人程度学級を実施している埼玉県志木市の一小学校において、観察調査の実施が可能となった。昨年度は低学年(2年生)の24人学級を観察したが、今年度は中学年(3年生)の32人学級を観察した。年度内に20回程度の終日観察を実施した結果、とりわけ規律・生活班の指導において、顕著に少人数学級時代の「痕跡」を認めることができた。つまり、2年生の頃に定着した生活集団としての特質(きまりの遵守、授業中および授業以外の時間における各種の規範)、は、3年生でクラス替えに伴う担任の変更ならびに人数増があっても、継続維持されていることが明らかとなった。また、学力面については、その顕著な伸長を示すデータは得られなかったものの、教員の実感のレベルでは明らかに改善されたと認識されていた。これらの知見は、次年度に関連学会において発表するとともに、論文形式による公刊を予定している。 2.志木市教育委員会より委嘱を受け、教育長からの諮問に答える審議会形式の委員会に所属し、座長を務めた。このこと自体は科研費による研究課題の遂行とはまったく別個の事柄であるけれども、同委員会での実務を通じ、観察事例校以外の教員とのラポールの構築、ならびに、同委員会が実施した大規模な質問紙調査に携わることができた。後者の質問紙調査は、市内低学年保護者・低学年担任・中学年児童(低学年での少人数学級経験児童)を対象とした大規模な悉皆調査であり、本研究課題に直結する重要なデータとなりうるため、市教育委員会の完全な同意と許可を得たのち、使用する予定である。
|
Research Products
(2 results)