2005 Fiscal Year Annual Research Report
少人数学級が児童・保護者・学校組織にもたらす教育効果の研究
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15730349
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
根津 朋実 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (50344958)
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Keywords | 埼玉県志木市 / 少人数学級 / エスノグラフィー / SBCD / 生活指導 / 教育効果 / 学級担任制 / 低学年 |
Research Abstract |
第三年次の研究を遂行した結果、以下の知見を得ることができた。 1.2005年4月以降、月に1〜2回の頻度で、小学校低学年に対し25人程度学級を実施している埼玉県志木市の一小学校において、観察調査を実施した。今年度は、1年生の24人学級を観察した。年度内に10回程度の終日観察を実施した結果、生活面の諸指導において、就学前の「痕跡」、および担任による「痕跡」の消去を、それぞれ認めることができた。就学前の幼稚園等における規律は、施設により実に多様であるため、入学後ごく初期の段階で再提示される必要が生じていた。すなわち、入学直後から「班」は明確に組織されず、むしろ、列の作り方、テストの受け方、給食の配膳の仕方等、学校生活の基本的な部分を担任が丁寧に指導する場面を頻繁に目撃した。担任からの聴きとり結果をあわせて考えると、一学級あたりの人数が少ないことは、こうした生活面での指導の容易さに直結すると結論できる。 2.昨年度実施した志木市教育委員会による大規模な質問紙調査の結果を分析し、結果を関連学会で発表するとともに、分担執筆の著書にまとめた。この調査は、志木市内低学年保護者・低学年担任・中学年児童(低学年での少人数学級経験児童)を対象とした、大規模の悉皆調査であった。分析の結果、教科学習において、算数以外に実技系教科を中心に少人数学級の有効性が認められていること、児童の速やかな学級適応に効果があると考えられていること、保護者と担任教員との間に認識の相違があること、および児童は学年進行にともなうクラスサイズの拡大を希望していることが、それぞれ見出された。この結果は、導入から日が浅い少人数学級の教育効果を実証的に示した点で、きわめて注目に値する。
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Research Products
(3 results)