2003 Fiscal Year Annual Research Report
高等教育マネジメントにおけるインスティチューショナルリサーチの実効性に関する研究
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15730352
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鳥居 朋子 名古屋大学, 高等教育研究センター, 講師 (10345861)
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Keywords | 高等教育 / マネジメント / インスティチューショナルリサーチ / 意思決定 / ストラテジック・プラン / 経営情報システム / アセスメント / レポート |
Research Abstract |
平成15年度は、米国ミネソタ大学及びミシガン大学、豪州メルボルン大学のインスティチューショナルリサーチ(Institutional Research)を担当する部署を訪問し、機関レベルのプランニングを支援する活動に関するインタビュー調査及び資料収集を主な基礎作業として行った。 また、米国及び豪州を中心に、上記以外の大学におけるインスティチューショナルリサーチに関する資料の収集・分析に努めた。 とりわけ、平成15年度の成果としては、豪州シドニー大学におけるインスティチューショナルリサーチの一環と見なせる「教育満足度調査システム(Teaching Evaluation System)」に関する資料を検討し論考を著したことが挙げられる。「シドニー大学における教育の質的向上への取り組み-『課程満足度調査(Student Course Experience Questionnaire : SCEQ)』を中心に-」(『名古屋高等教育研究』第4号、2004年)においては、シドニー大学における教育の質的向上の取り組みの一つとして、課程(course)レベル、科目(Unit)レベノレの二つの階層から成る教育満足度調査のなかみに焦点をあて、実際の調査項目のスケールおよび特徴について考察した。こうした階層的な満足度調査は、大学のカリキュラムや教育方法の開発・改善にむけた根拠データの収集や、学生の学習経験に関わるより具体的かつ質的なデータの集約を可能とすることから、全学ならびに学部のストラテジック・プランにおける教育領域の計画を遂行するうえで有効に機能している。 このように、機関レベルのプランニングにおける目標(ゴール)と各種調査との関係性を捉えていくことは今後、高等教育マネジメントにおけるインスティチューショナルリサーチの特質を把握し、その実効性を明らかにするうえで重要な分析視角となろう。
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Research Products
(1 results)