2003 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカにおける学校・学区運営の民間企業委託の実施過程に関する実証的研究
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15730353
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| Research Institution | Osaka Kyoiku University |
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Principal Investigator |
大野 裕己 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (60335403)
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| Keywords | 民間企業への学校経営委託 / ニューパプリック・マネジメント / アメリカ教育改革 |
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| Research Abstract |
本年度は2年計画の初年度として、本研究課題について以下のような研究を行った。
その第一は、アメリカ合衆国における学区・学校運営委託の経緯及びその特質についての基礎的研究である。ここでは、日本・アメリカ両国の公共政策学・教育学関連の研究レビューを主な手法として、アメリカ学校教育における民間企業の参入が、大きく1970年代の「成果請負契約」(特定事業の委託)から1980年代の「学校と企業のパートナーシップ」(学校改善の協働的実施)、1990年代以降の「学校・学区運営委託」と進展したこと。すなわち同国の教育の民営化政策は、「委託・民営化志向」「互恵的関係形成志向」の葛藤の中で進展したことを明らかにし、そのことはこの政策に可能性と課題を同時にもたらすものである点を考察した。
第二の研究作業は、現在のアメリカ合衆国における民間企業委託の実施状態に関する把握である。ここでは、同国における連邦・地方の教育行政当局のWebページや各種統計資料を手がかりに、連邦・地方レベルでの民間企業委託に関する法制や、委託実施状況、コンフリクトの発生状況をデータベース化した。
総じて本年度の研究は、アメリカの学校運営委託の文脈を解題しその制度的可能性と課題を明確化するものであり、次年度に予定している学区関係者への質問紙・インタビュー調査を通じて同国の民間企業委託の実施過程の全体像を明らかにする基礎作業となるものであった。なお、本研究ではあわせて、日本における最近の学校教育の民営化の文脈についても整理し、その成果を論文化した。
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Research Products
(2 results)
