2003 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ近代教育学における「力」と「人間形成」の関わりの問題
Project/Area Number |
15730369
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Research Institution | Kyoto University of Education |
Principal Investigator |
相澤 伸幸 京都教育大学, 教育学部, 助教授 (20331259)
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Keywords | 教育学 / 教育哲学 / 人間形成論 / ドイツ / ニーチェ / 力 |
Research Abstract |
本研究「ドイツ近代教育学における「力」と「人間形成」の関わりの間題」の「力」と「人間形成」の関わりを考察するにあたって、まず注目したのはニーチェ(Friedrich Wilhelm Nietzsche,1844-1900)の思想である。彼の思想を語ろうとするとき、「力への意志(der Willezur Macht)」を無視することは絶対にできない。それほどこの概念を取り上げることは当然のことであり、そのためこれまで多くの研究者によって考察されてきた重要な概念である。周知のようにニーチェ自身はこの概念を総合的に明示するようなことはしていない。それは曖昧なままであり、厳密な定義などはもちろんない。これが原因となり解釈に多様性が生じてくる。だが結局、そのような事態はニーチェが意図していたことでもあるのだろう。その多様性を示すためにも、われわれはまず基本的な意味を理解する必要があるのであり、その基本的な概念を、H15年度の研究では考察しようと試みた。 本研究と先行研究との違いを明確にすれば、やはり本研究は教育学としての人間形成論的解釈を試みているという点が挙げられる。当然、ニーチェは哲学者・思想家としての扱いが多い中で、彼を人間形成論の観点から考察することが、大きなアドバンテージを持っているのかどうかは明言できない。しかし、人間形成の観点からの考察が十分なされたとはけっして言えないことだけは確かであり、ドイツ本国でも最近注目されてきているアプローチのしかたである。 そして本年度の成果としては、学会での発表報告1つと雑誌論文を1つが掲載された。
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Research Products
(2 results)