2004 Fiscal Year Annual Research Report
生涯学習社会における学校・地域の相互発展的な音楽学習に関する研究
Project/Area Number |
15730387
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
丸林 実千代 山形大学, 教育学部, 助教授 (20282197)
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Keywords | 生涯音楽学習 / 社会教育の音楽 / 地域の音楽活動 / 成人音楽学習 / 地域オペラ |
Research Abstract |
今年度は昨年度の研究成果を踏まえて、さらに茨城県日立市における学校・地域の相互発展的な音楽学習に関わる実践のフィールドワークを行った。 日立市では、昨年度に市教育委員会を中心に教育プランを策定し、今年度からはそれを実行することになっていた。このプランでは「開かれた学校」を目指すために、地域との連携を深める方針も盛り込まれているが、全体的なプランであるため、音楽に具体的に関連するような記述とはなっていない。しかし、この「開かれた学校」の実践では、「オペラのまちづくり」を指向する日立の文化行政との関係から学校・地域の相互発展的な音楽学習の実践が試みられることが期待された。 今年度の研究では、まず市内の小・中・高等学校の音楽学習の実態について調査し、特に地域との関連のある事例を探索した。その結果、残念なことにあまり音楽実践は取り組まれていないことが判明した。 次に地域の音楽活動の分野における学校教育への働きかけについて調査をおこなった。中でも「ひたちオペラ合唱団」は以前から学校教育への働きかけを積極的に実施していたため、この団体を中心に活動調査をおこなった。この合唱団は多くの活動を実施していたが、特に9月の「オペラ・サロン」では市内の公民館でミニ・コンサートを開催し、小中学生およびそのPTAに対して、オペラについて理解を促し、興味を持ってもらうような構成を試みた。この企画の延長線上には、平成17年度8月実施予定の「野外オペラ」の小中高等学校の児童生徒、およびそのPTAの出演者としての参加、そして観客の獲得がある。そして、その後の参加者募集ではこの「オペラ・サロン」をきっかけとして参加した市民も少なくはなかった。 来年度は、さらに日立市での調査を進め、さらには山形市内の音楽活動についても調査し、生涯学習社会における学校・地域の相互発展的な音楽学習について多角的な分析を行う予定である。
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Research Products
(1 results)