2003 Fiscal Year Annual Research Report
知的障害児のバランス活動の制約とその支援方法に関する教育心理学研究
Project/Area Number |
15730405
|
Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
奥住 秀之 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (70280774)
|
Keywords | 知的障害 / ダウン症 / 自閉症 / 身体運動 / バランス / 物的バランス / 歩行 / アセスメント |
Research Abstract |
本研究の目的は、知的障害児・者(以下、知的障害者と略す)のバランス活動の制約の実態を調べ、その原因を追究し、その制約への支援方法を考案することにある。本年度の目的は、知的障害児・者(以下、知的障害者と略す)のバランス活動の制約の実態を多面的、多角的に検討することである。その際、本研究では、バランス活動を2つに大別した。一つは、身体バランスで、これは運動する個人の内部にバランスをとるべき対象(すなわち自分の身体)があるバランス活動、一つは、物的バランスで、これは運動する個人の外部にバランスをとるべき対象(すなわち自分の身体)があるバランス活動である。 知的障害児・者施設を利用する知的障害者約50名を対象に、身体バランスのアセスメントとして最大歩行速度と片足立ちを、物的バランスのアセスメントとして、水の入ったコップの運搬歩行(指標は歩行速度とこぼれた水の量)を行った。その結果、知的障害の臨床類型別に見ると興味深い結果を得ることができた。自閉症または自閉傾向のある知的障害者は、片足立ちの成績が著しく低い。ダウン症者の身体バランス機能は全般に低いとみなしうる結果である。一方で、物的バランスは、自閉症者は低いと見えるが、ダウン症者はこぼれる水の量から判断すれば。成績は高い。このダウン症者の結果は、一般に言われる彼らの運動特性とは明らかに異なるものである。この点に特に焦点を当てて、次年度はさらにその特性を検討したいと考えている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Kokubun, M., Ozawa, K., Okuzumi, H.et al.: "Development of carefulness and quickness observed for a tray-carrying task"Perceptual and Motor Skills. 97. 230-234 (2003)
-
[Publications] Sugiura, M., Furuna, T., Nishizawa, S., Nagasaki, H., Okuzumi, H.et al.: "Factorial invariance of the physical performance measures in longitudinal study of aging : A simultaneous analysis approach"Geriatrics and Gerontology International. 3. S40-S49 (2003)
-
[Publications] 奥住秀之: "知的障害養護学校の授業づくりについての一考察"東京学芸大学特殊教育研究施設研究報告. 3. 11-16 (2004)
-
[Publications] 独立行政法人産業技術総合研究所人間福祉医工学研究部門編: "人間計測ハンドブック(共著)"朝倉書店. 901(11) (2003)