2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 大介 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90333591)
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Keywords | シンプレクティック多様体 / ラグランジアン部分多様体 |
Research Abstract |
本年度はラグランジアンファイブレーションの存在条件について成果を得た.昨年度までの研究で,既約シンプレクティック多様体が代数ファイバー構造を持てば,それはラグランジアンファイブレーションであることはわかっていたので,既約シンプレクティック多様体がどのような条件下で代数ファイバー構造を持つか?という問題が自然に生じる.研究上の作業仮説-既約シンプレクティック多様体とK3曲面の類似性--を信じるのであれば,Beauville-Bogomolov-Fujiki formに対しイソトロピックな因子が既約シンプレクティック多様体上に存在すれば,適当な双有理変換を施せば,この既約シンプレクティック多様体は代数ファイバー空間を持つことが予想される.この予想を元にして,次の二つの条件をつけたシンプレクティック多様体について調べた.1つは既約シンプレクティック多様体上に数値的に半正な因子で,そのネフ次元が元の多様体よりも真に小さなものが存在するとき.もう1つはシンプレクティック多様体にラグランジアン部分多様体でアーベル多様体と同型なものが存在するとき,である.以上の条件いずれかを満すとき,シンプレクティック多様体は代数ファイバー構造を持ち,従ってラグランジアンファイブレーションを持つことがわかった.また上記予想を示すためには次のことが言えれば良いこともわかった.既約シンプレクテイック多様体上で一般の点を通るすべての曲線と正で交わる因子は巨大である.
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