2005 Fiscal Year Annual Research Report
正標数代数曲線の被覆に関連する数論幾何学とその応用
Project/Area Number |
15740009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉川 安騎男 京都大学, 数理解析研究所, 教授 (00243105)
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Keywords | 代数曲線 / 被覆 / 基本群 / 楕円曲線 / Hurwitz空間 / 遠アーベル幾何 / 国際研究者交流 / アメリカ:フランス:イギリス |
Research Abstract |
研究実施計画に記載の通り、Christopher Rasmussen氏(米Rice大)、Anna Cadoret氏(仏Lille第1大)、Mohamed Saidi氏(英Exeter大)の来訪を受け、それぞれ共同研究をスタートさせることができ、下記のような、代数曲線の被覆に関連する数論幾何学における成果を挙げることができた。これらの成果は、来年度以降に共著論文として発表したいと考えている。 1.Rasmussen氏との共同研究で、射影直線引く3点の副l基本群の上のGalois表現に関する伊原の問題に関連して、体Q(E[l^∞]がlの外で不分岐でQ(ζ_l)上副lな拡大になるような、素数lとQ上の楕円曲線Eの組のリストを完全に決定することができた。更に、高次元アーベル多様体への拡張を模索中であり、平成18年度中のRasmussen氏の再来訪を計画中である。 2.Cadoret氏との共同研究で、Hurwitz空間(射影直線の分岐Galois被覆のモジュライ空間)内の「base locus」が閉集合であることが証明できた。更に、このbase locusの代数幾何・数論幾何的性質(次元や定義体など)について研究を進めており、平成18年度中にCadoret氏の再来訪が予定されている。 3.Saidi氏との共同研究で、有限体上の曲線またはその関数体の遠アーベル幾何に関し、いくつかの新しい結果を得た。特に、幾何的基本群を標数と素な商に置き換えた場合のIsom版や、ある種の局所条件を仮定した上でのHom版が証明できた。これらの結果は、研究目的「遠アーベル幾何への応用」と強く関連する。
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