2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740014
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
柳川 浩二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40283006)
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Keywords | Koszul双対性 / Koszul代数 / Poincare-Verdier双対性 / 双対化複体 / AS正則代数 / (複対の)Castelnuoro-Mumtord regularity / 有限正則胞複体 / 弱Koszul加群 |
Research Abstract |
今年度は,2つの論文を書いた.これらは現在投稿中である. 一つ目の論文"Dualizing complex of the incidence algebra of a finite regular cell complex"では,正則な有限胞複体Σ(ただし,空集合0もΣの胞体とする)を,各胞体(の閉包)の包含関係により半順序集合とみなし,これの接合代数Rのホモロジカルな性質を,Σ上の構成可能層の理論を用いて研究した.有限生成左R-加群に付随するΣ上の構成可能層が存在するのだが,これは,斉次可換環A上の次数付加群にProjA上の準連接層が付随する代数幾何学の基本的な事実と,類似する部分が有る(加群の代数的なコホモロジーと,層のコホモロジーの対応など).0∈Σが,斉次環の無縁イデアルに似た役割を演じるのである.さらに,Σ上のPoincare-Verdier双対性に対応したRの双対化複体を構成した,この複体は,有限生成左R-加群のなす圏(の有界な導来圏)の双対性を与えるが,この双対性とKoszul双対性との関連も研究した(Rは常にKoszulで,R^!〓R^<op>を充たしている). 二つ目の論文"Castelnuovo-Mumford regularity for complexes and weakly Koszul modules"では,KoszulかつネーターなAS正則代数Γ(可換の場合は,Γは多項式環である)上の,有限生成次数付加群の有界な複体のCastelnuovo-Mumford regularity(以下単にregularity)を研究した.この状況でΓ^!は自己入射的なKoszul代数となるが,Γ^!上の弱Koszul加群について,Koszul双対性と(Γでの)regularityを応用して,いくつか新しい知見を得た.,なお,弱Koszul加群は,非可換論ではR.Martinez-Villaのグループが,(組合せ論的)可換代数ではJ.Herzogのグループが,活発に研究している.
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