2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740058
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
久保 雅義 京都大学, 情報学研究科, 講師 (10273616)
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Keywords | 逆問題 / 偏微分作用素 / MEG / Maxwell方程式 |
Research Abstract |
逆問題は現在,実用的な研究対象として工学や医学など多くの分野において理論的考察が進められているが,実用化にあたっては多くの問題点が指摘されている.逆問題は多くのケースで非線型で、ごく稀な場合を除いてその解を解析的に表示することが不可能である.工学・医学での応用のために解の形状を具体的に目に見える形で得るには数値解析的手法に頼らざるを得ない。そこで,本研究では逆問題のなかで医学的にも応用上も重要である,非侵襲的に脳内の活動を測定する問題を取り上げ,特に非侵襲的に脳内の神経細胞レベルの(電気的な)発火活動の情報をとらえることを念頭において,表面の磁場データから内部の電荷分布の時間的変化を決定する問題を考察した。これは,現在既に大学病院等で導入しているMEG(脳磁図)による脳内活動の非侵襲的計測を対象と考えている.臨床への応用および脳科学基礎研究が活発になされているが,脳内の情報処理解明のためには更なる精度が必要と考えられている.MEGの欠点としては低い空間分解能が挙げられるが、これは磁場から電源を推定することが困難なためである。MEG(脳磁図)を数学的に記述したものは順静的Maxwell方程式のソース逆問題となるが,これを解くために用いられるダイポール推定のアルゴリズムは十年以上前から研究されており様々な変法が試用されているが,決定的な手法は未だ存在しない.この数学的基礎づけとして,境界データ込のCarleman評価を利用して上記の偏微分作用素に対する一意接続性定理は既に示していたが,その応用として上記の逆問題の解の一意性を示すことが可能となった.マックスウェル方程式に対してはポイント電荷の位置と電荷量を決める逆問題の解の一意性を一意接続性定理をもちいて示し,それに対する数値解法を提案し数値計算を行った.脳内の活動を測定する逆問題と関連して,(電気的な)発火活動の情報処理に関する研究を行い成果を得た.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.Kubo: "Unique Continuation for Solutions to Hyperbdic Openitors by a Localized Fourier-Gauss Transformation"Journal of Inverse and Ill-posed Problems. 発表予定.
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[Publications] M.Kubo: "New Technique for analyzing stationary global activity in neural netuaks"Journal Neuro computing. 発表予定.
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[Publications] M.Kubo: "Activity dynamics and propagation of synchronous spiking in locally connected random networks"Biological Cybernetics. 88. 395-408 (2003)