2003 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム初期条件を持つバーガース方程式とDLAモデルの確率論的研究
Project/Area Number |
15740060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
磯崎 泰樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90273573)
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Keywords | バーガース方程式 / ランダム初期値 / ブラウン運動 / ハウスドルフ次元 |
Research Abstract |
(1)一次元非粘性バーガース方程式に、ホワイトノイズの初期条件を正の半直線上で与え、負の半直線上にはマイナス無限大を与えた系を研究した。これは、真空に向かって放出・拡散する完全非弾性粒子のモデルになっている。本研究では、遠方まで到達した粒子の総質量を、重複対数のオーダーで表すことができた。初期条件がホワイトノイズの原始関数の場合も研究し、質量流の長時間漸近挙動に関する重複対数の法則を得た。この研究成果は、現在、投稿中である。 この研究は、一次元ブラウン運動について広く知られたコルモゴロフの重複対数の法則の、一つの精密化になっている。時空間に於けるブラウン運動の軌跡(グラフ)の凸閉包は、ある関数のグラフを定める。これらをルギャンドル変換した関数について、本研究の結果は重複対数の法則を与えるのである。さらに、この関数の漸近挙動を研究し、下級関数と上級関数の特徴づけに成功した。この成果は、投稿準備中である。 (2)不均質な空間でのランダムな動きのモデルとして、疑似安定過程を案出した。これは、先行する研究を拡張して、安定過程だけでなく、ブラウン運動をも包含できるようにしたものである。疑似安定過程が描く軌跡は、場所により異なるハウスドルフ次元を持つことが期待される。均質な空間では、あるパラメータ領域で確率過程としての再帰性が破れているが、疑似安定過程では、そのパラメータ領域内でも空間の遠方で再帰的パラメータに近づく場合は、再帰性を持つことを、二次元の場合に示した。また、確率過程としての保存性や、無限小生成作用素の積分表示を研究した。最近、この研究成果は、論文雑誌に掲載を受諾された。
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Research Products
(1 results)