2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740093
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
小森 洋平 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70264794)
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Keywords | タイヒミュラー空間 / クライン群 / プリーツ不変量 |
Research Abstract |
昨年度まで研究してきた1点穴開きトーラスのタイヒミュラー空間のプリーツ不変量の理論を、高い種数の場合に考察した。具体的には種数2のリーマン面のタイヒミュラー空間上のモジュラー関数を構成するために、リーマン面を一意化するクライン群の表示から、超楕円曲線表示を求める問題に取り組んだ。特にクライン群がフックス群の場合にはポアンカレ級数を用いて表示を得ることができた。ここで問題になるのはポアンカレ級数の非自明性で、アイヒラーコホモロジーの計算を用いて解決した。 しかしフックス群の場合では実解析的なモジュラー関数しか得られない。そこで複素解析関数を構成するため、クライン群として終端b群と呼ばれる群を用いて超楕円曲線表示を得た。この研究内容については8月にフィンランドのユバスキュラ大学で、また11月に京都大学数理解析研究所で発表した。 プリーツ不変量のタイヒミュラー空間の境界での振る舞いは重要な問題である。これについてはサーストンによるコンパクト化の場合に考察を始めた。プリーツ不変量は測地線の長さ関数と関連があるので、測地線の長さ関数を用いて、コンパクト化したタイヒミュラー空間を射影空間に埋め込む問題を考えた。実際古典的なフリッケ・クラインの埋め込みの場合はうまくゆくことが、1月に来日したボン大学のハーメンシュタット教授との共同研究の結果分かった。ハーメンシュタット教授は最小個数の長き関数による埋め込みを提唱しており、その場合にコンパクト化したタイヒミュラー空間が埋め込めるかを来年度の主要な研究目標としたい。
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Research Products
(2 results)