Research Abstract |
右辺にラドン測度fを含む非線形偏微分方程式 -div A(x, grad u(x))+B(x, u(x))=f・・・(E) の解の一意性について調べた.具体的には,境界が十分滑らかで,AがN-ラプラス作用素(Nは次元)に近い場合か,又はfが特別な場合に一意性を得ることができた.その際,この研究対象に詳しい広島大学名誉教授前田文之氏,ユバスキュラ大学のTero Kilpelainen, Xiao Zhong各氏等と討議した. 測度付き距離空間上のポテンシャル論の研究を進めた.具体的には,測度付き距離空間におけるPerron-Wiener-Brelot法によるDirichlet問題の可解性について調べた.領域が有界な場合は,Nageswari Shanmugalingam氏等によって調べられていたが,領域が非有界な場合に拡張することが出来た.さらに,測度付き距離空間上で方程式 -div A(x, grad u(x))+B(x, u(x))=0 に対応する変分式を考え,解のポテンシャル論的性質,特に,解の存在,一意性,ヘルダー連続性,ハルナックの不等式などについて調べた.これらの測度付き距離空間上のポテンシャル論の研究を進める際,この研究対象に詳しいシンシナチ大学Nageswari Shanmugalingam氏と討議した. なお,以上の研究成果をユバスキュラ大学セミナー,ヘルシンキ大学解析セミナー,ケンタッキー大学PDEセミナー,イリノイ大学解析セミナー,シンシナチ大学Taft幾何解析セミナー,ポテンシャル論研究集会,日本数学会関数論分科会などで報告した. また,方程式(E)の解のヘルダー連続性について調べた結果を論文としてまとめ提出し受理された.
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