2004 Fiscal Year Annual Research Report
相対論的場の偏微分方程式の初期値問題の適切性および非相対論的極限
Project/Area Number |
15740105
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
町原 秀二 島根大学, 総合理工学部, 助手 (20346373)
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Keywords | 非線型ディラック方程式 / 非線型波動方程式 / ソボレフ空間 |
Research Abstract |
第一の研究成果として小澤徹氏、中村誠氏、中西賢次氏との共同研究により、空間三次元、三乗冪の非線型項を持つ非線型ディラック方程式の解の一意存在を示すことができた。詳しく述べると、尺度不変性の議論により得られる臨界指数が1のソボレフ空間において初期値が小さいときに解が一意的に時刻無限まで存在することを証明した。このとき証明の主なブレイクスルーは解の挙動の時間方向と空間方向の統一的評価で、これまで直交座標で研究されていた既存の評価式を極座標で書き直し、動径方向と回転方向のそれぞれに適した関数空間を設定することにより評価構築に成功した。この仕事は論文「Endpoint Strichartz estimates and global solutions for the nonlinear Dirace quation」として纏めることができ関連雑誌Journal of Functional Analysisにおいて公表済みである。 第二の成果は同じく非線型ディラック方程式に対し空間一次元の場合に、更に精度の高い結論を得ることができた。初期値の滑らかさを小さいものにし、超関数まで含める負の指数のソボレフ空間での解の一意存在を得ることができた。ディラック方程式が相違なる伝播速度の波動方程式系で記述されることに着眼し解決を見た。具体的な証明はJ.Bourgainのフーリエ制限ノルムを用いたもので双線形の評価に対しては肯定的な結果とともに否定的なものも得ることができた。この仕事は論文「One dimensional Dirac equation with quadratic nonlinearities」として纏められて現在関連雑誌に投稿中である。
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Research Products
(1 results)