2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740110
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 工学院大学, 工学部, 講師 (00333021)
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Keywords | 退化放物型方程式 / 退化楕円型方程式 / 大域アトラクター / 複素ギンツブルグ・ランダウ方程式 |
Research Abstract |
放物型方程式、とりわけ拡散項が解の値や勾配に応じて消滅するような方程式を退化放物型方程式という。退化放物型方程式については、解の存在や対応する定常問題個々について数多くの研究があるが、どのように定常状態に落ち着くのか、また定常解付近に初期値をとったときの解の挙動(安定性)については、あまり研究がなされていない(解の爆発問題については多くの研究がある)。その理由のひとつとして、解の時間局所的な挙動をつかむための線型化の方法が拡散項の強い非線型性のため適用できないことが挙げられる。 今年度は主に(1)(退化拡散項を伴う)複素ギンツブルグ・ランダウ方程式、(2)非一様な飽和値をもつ退化楕円型方程式の研究を行った。(1)は昨年度から続いている、淺川氏(岐阜大)と横田氏(東京理科大)との共同研究である。従来知られているものよりも弱い条件において解の存在や大域アトラクターの存在が証明された。この研究結果は国内の研究集会はもとより、上海での国際会議でも報告することができた。この内容をまとめた論文は完成間近であるが、先の国際会議の報告集は出版予定である。(2)は今年度から新たに始めた研究である。ある種の退化楕円型方程式において、拡散項の係数を十分小さくすると解が飽和値に達することがある。従来知られている結果は飽和値が領域に関して一定である場合を扱ったものだが、では飽和値が領域に関して非一様である場合はどうかという自然な疑問を扱ったものである。この問題は退化放物型方程式の定常解集合の位相的な性質を知る上で大きな手がかりとなる。今のところ、飽和値が一定であるような部分領域では解はそこでの飽和値に達することがわかっており、単純ではあるが興味深い結果であるので国内の研究集会で報告した。来年度、台湾、およびフロリダの国際会議で報告する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Takeuchi, T.Yokota: "Global attractors for a class of degenerate diffusion equations"Electron.J.Differential Equations. 2003 No.76. 1-13 (2003)
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[Publications] S.Takeuchi, H.Asakawa, T.Yokota: "Complex Ginzburg-Landau type equations with nonlinear Laplacian"Nonlinear Partial Differential Equations and Their Applications (GAKUTO International Series). (発表予定).