2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740110
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 工学院大学, 工学部, 講師 (00333021)
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Keywords | 退化放物型方程式 / 退化楕円型方程式 / flat core / p-Laplacian / 非線形拡散 / 力学系 / 定常解 / 反応拡散方程式 |
Research Abstract |
放物型方程式、とりわけ拡散項が解の値や勾配に応じて消滅するような方程式を退化放物型方程式という。退化放物型方程式については、解の存在や対応する定常問題個々について数多くの研究があるが、どのように定常状態に落ち着くのか、また定常解付近に初期値をとったときの解の挙動(安定性)については、あまり研究がなされていない(解の爆発問題については多くの研究がある)。その理由のひとつとして、解の時間局所的な挙動をつかむための線型化の方法が拡散項の強い非線型性のため適用できないことが挙げられる。 今年度は主に、非一様な飽和値をもつ退化楕円型方程式の研究を行った。ある種の退化楕円型方程式において、拡散項の係数を十分小さくすると解が飽和値に達することがある。従来知られている結果は飽和値が領域に関して一定である場合を扱ったものだが、では飽和値が領域に関して非一様である場合はどうかという自然な疑問を扱ったものである。この問題は退化放物型方程式の定常解集合の位相的な性質を知る上で大きな手がかりとなる。今のところ、飽和値が一定であるような部分領域では解はそこでの飽和値に達することがわかっており、単純ではあるが興味深い結果であるので、5月に台湾のNCTSにて行われた反応拡散方程式とその周辺内容に関するワークショップと、8月にフロリダで開催された非線形解析学者国際会議WCNA-2004で研究発表を行った。実は解が飽和値に達するためには飽和値が一定であることは必要ではないと思われる。必要十分条件として、飽和値を与える関数がp-調和であることを予想して現在取り組んでいる。 他の活動は、日本数学会実函数論分科会の特別講演として、本研究課題についてこれまで得られた結果を題材として講演した。また退化放物型方程式を含む様々な発展方程式に関する研究集会(第26回発展方程式若手セミナー)を開催し、その報告集を作成した。
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Research Products
(2 results)