2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15740110
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
竹内 慎吾 工学院大学, 工学部, 講師 (00333021)
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Keywords | 退化放物型方程式 / 退化楕円型方程式 / flat core / p-Laplacian / 非線形拡散 / 力学系 / 定常解 / 反応拡散方程式 |
Research Abstract |
放物型方程式、とりわけ拡散項が解の値や勾配に応じて消滅するような方程式を退化放物型方程式という。退化放物型方程式については、解の存在や対応する定常問題個々について数多くの研究があるが、どのように定常状態に落ち着くのか、また定常解付近に初期値をとったときの解の挙動(安定性)については、あまり研究がなされていない(解の爆発問題については多くの研究がある)。その理由のひとつとして、解の時間局所的な挙動をつかむための線型化の方法が拡散項の強い非線型性のため適用できないことが挙げられる。 今年度は昨年度に引き続き、非一様な飽和値をもつ退化楕円型方程式の研究を行った。具体的には、拡散項を伴うロジスティック方程式の定常問題において、拡散項としてp-ラプラシアン、反応項として環境収容力が空間非一様な場合を考えた。環境収容力が空間一様である場合は、拡散項の係数がある程度小さいならば解が環境収容力と一致し、さらに小さくするにつれてその一致集合は領域全体に広がっていくという結果がすでにある。非一様な場合でも、一定であるような領域があればそこでは同じ現象が見られることが昨年の研究によりわかっている。最近の研究により、解が環境収容力と一致する以前の段階の挙動、すなわち、拡散項の係数が小さくなるにつれて解は環境収容力にコンパクト一様収束していくことが示された。この結果は拡散項が通常のラプラシアンの場合にはS.Angenentによって証明されており、p-ラプラシアンの場合にも成り立つと思われているが、実際に示されている文献は見たことがない。証明はまったく同様というわけではなく、拡張されたSerrin's Sweeping Principleを用いる。まだ納得のいく結論には達していないが、現時点までの成果を、6月にフランスで行われる国際会議「AIMS' Sixth International Conference on Dyn.Systems, Diff.Equations and Applications」で発表する予定がある。
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Research Products
(1 results)